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痛風男の備忘録
怪異譚に憑りつかれた、或る男の半生を綴ります。
幼い頃の記憶 其之四
これまた小学生の頃の話。

毎年夏になると、父親の田舎
旭市に家族で帰省していた。

或る年の夜・・・


ふと目を覚ますと、
玄関に多数の人の気配を感じた。

その中の一人がこう言った。
『映画を撮らせて下さい』

私は訳も解らぬまま、
『あぁ、どうぞ・・・』
と曖昧な返事をするしか無かった。


すると、突然大人数の人が、
土足のまま家の中に入って来た。

呆気に取られていると、
人々は次々と隣室へと向かい、
やがて其処にあった仏壇へと、
吸い込まれていった。

私は再び眠りに就いた。


翌日。

あれだけど派手に動き回ったのだから、
大層布団も汚れただろうと見渡してみると、

其処には足跡の一つも残っておらず、
ただ一人、
納得出来ない私が居るだけだった。
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