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痛風男の備忘録
怪異譚に憑りつかれた、或る男の半生を綴ります。
蒟蒻男
一ケ月ほど前の出来事。


その夜、寝付けなかった私は、
布団に包りラジオの深夜放送に
聴き入っていた。

暫くして尿意を催した私は、
暗闇の中トイレで用を足し、
再び自分の部屋に戻った。

すると・・・


月明りに照らされた室内に、
誰かが立っているのが判った。

幽かに浮かび上がった輪郭を見ると、
『形が変な人間だな』と思った。


ぼやけてはいるが、
どうやらその体型から、
男である事が判った。

月光を浴びたその体は、
やけにてかっていた。


『何だろう?』と思い、その男に近付くと、
彼はいきなり私を突き飛ばした。
よろけた私は姿勢を崩し倒れ込んだ。

その時気付いた。
彼の手が私の顔面に触れた時、
蒟蒻の様に柔らかく湿った感じがした。

そう、その男は、
全身が蒟蒻の集合体で出来ているらしかった。


一通り私に危害を加えると、
相手は闇の中へと消えて逝った。

何が何だか解らないまま、
私は暫く倒れ込んでいた。

今迄色々な体験をしてきたが、
こんな事は初めてだった。


其処に『理屈』など存在しないのだろうが、
世の中には不思議な出来事も在るものだ、
と擦りむいた肘を気にしつつ、
私は再び寝床に就いた。

異物が出現するのは一向に構わない。
このブログのネタになるからだ。

然し『痛い』のは止めて欲しい。
意味もなく突き飛ばされるとか、
理解に苦しむから・・・。


私は“異物達”との良好な関係を望んでいる。
其処の所、一つ宜しくお願いしたい。
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