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痛風男の備忘録
怪異譚に憑りつかれた、或る男の半生を綴ります。
怪夢 第二夜
別荘到着の翌日。

皆は出掛けると言ったが、
私は気になる点が有ったので、
一人別荘に残る事にした。


仲間を送り出した後、
まず私は二階へ繋がる
階段を上ってみた。

上りきると、下から侵入出来ないように、
其処には板が打ち込まれていた。

『?』私は不思議に思った。
此方から嵌められているなら判るが、
板は二階側から打ち込まれていた。

『他から上に上がる手段が在るのか?』
私は思い、屋敷の周囲を探索してみた。


二階の窓辺まで辿り着いた時、
偶々脚立を見つけたので、
試しに二階まで届くか掛けてみた。

脚立はぴったり二階に届いた。
上ってみると、一つの窓に
鍵が掛かっていない場所を見つけた。

私は其処から二階の内部に
侵入する事に成功した。


何年も人の出入りが無かったのであろう。
其処には瓦礫が散乱し、
宛ら異空間の雰囲気を醸し出していた。

その中を慎重に歩いていると、
血痕の様な跡が点在している事に気付いた。

やがて私は一つの斧を発見した。

刃の部分には血痕が付いており、
過去に此処で何か争い事が起きたのでは?
と私は想像した。


何かこれ以上此処に居てはならない。
そんな気がして、私は再び脚立を使い、
下に降りた。

やがて仲間が帰って来たので、
私は今迄の体験を皆に打ち明けた。

すると恵美が重い口を開いた。
『実は・・・』


恵美の話を要約すると、
以下の様になる。


彼女が幼少の頃、
夏休みは必ず此処で
家族で過ごしたそうだ。

元々この別荘は、
恵美の叔父の持ち物だった。

彼女の父親と仲が良かったので、
此処で過ごすのは毎年恒例だった。


然し或る時を境に、
恵美の家族は別荘を訪れなくなった。

後で聞いた話に拠ると、
突然叔父が行方不明になり、

どういう経緯か知らぬが、
彼女の父親が別荘の持ち主になった。


それ以来、何故か恵美の家族は、
此処を避けるようになったらしい。

今回の旅行についても、
『何故(別荘へ泊る事に)許可が出たのか?』
解らないとの事だった。


『此処には確実に何か在る』
そう思った私は、
皆と共に“叔父失踪”の謎に挑む事にした。

※『怪夢 第三夜』へ続く
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