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痛風男の備忘録
怪異譚に憑りつかれた、或る男の半生を綴ります。
引き籠っていた頃の話。


或る真冬の夜。

就寝中の私は、
異様な気配で目が醒めた。

掛け布団の上で、
何かが蠢いている。


気になって目を遣ると、
無数の虫達が、
其処を覆いつくして居た。

見た事も無い彼等は、
羽音を響かせ、
私の周りを取り囲んで居た。

一匹を捕まえ潰してみると、
『プチッ』という鈍い音と共に、
虫の死骸は強烈な異臭を放った。


気持ち悪かったので、
思い切って布団を剥ぐと、
あれだけ居た虫達は、
嘘の様に姿を消した。

慌てて起きた私だったが、
其処には既に何も存在せず、
ただ強烈な異臭だけが漂い、

ナツメ球に照らされた薄暗い空間が、
私を包み込むのであった。


そんな体験が幾度か遭った。
蟲は魂の化身と聞いた事がある。

何か私に伝えたい事でも
有ったのであろうか?

全てが謎の儘、
年月だけが過ぎ去り、
未だに腑に落ちない
体験なのであった。
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