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痛風男の備忘録
怪異譚に憑りつかれた、或る男の半生を綴ります。
生首
何時の頃か忘れた。


夜中ふと目が覚めた私は、
意識だけ覚醒した状態で、
目を閉じたまま様子を窺った。

暫くすると、
『ハァ〜〜ッ』
何者かが息を吹きかけて来た。


同時に私は金縛りに遭った。
身体が不自由なまま、
只管相手の出方を窺った。

次の瞬間、
顔面に“何か”が触れた。


その感触からして、
人間の髪の毛と解った。

それは私の顔面を覆った。


『ハァ〜〜ッ』
相手の息と共に髪の毛が揺れた。

遂に耐えられなくなった私は、
思わず目を開けてしまった。


其処には
女の生首が宙に浮いていて、
私に向かい息を吹きかけていた。

『ハァ〜〜ッ』
振り乱れる長髪と、
剝き目の女の表情に、
私は一瞬狼狽えたが、


『消え去れ!』
心の中で叫んだ所、
生首は闇の中へ消えていった。

(当時)恐れる事は何も無かった。
異物に屈する程、私は柔ではない。


静寂が戻り、
私は再び眠りに就いた。

若い頃のちょっとした体験である。
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